Bernardo Bertolucci 死去(2018年11月26日)

2018年11月26日、イタリア人の巨匠映画監督 ベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci)がこの世を去った。77歳だった。


(source)

私がベルトルッチの作品で見たものは…

  • 殺し
  • 暗殺の森
  • 暗殺のオペラ
  • ラスト・タンゴ・イン・パリ
  • ある愚か者の悲劇
  • 1900年
  • ルナ
  • 魅せられて

こうしてみるといまいちマイナーな作品が多いな。初めて見たベルトルッチの作品は、「暗殺の森」だった。日本劇場初公開の時だったんじゃないかな?(どんだけ昔だ。ちなみに当時の自分は若すぎて、この映画における政治的な意味は全然理解できなかった)

「殺し」だって日本劇場初公開時にリアルタイムで見たんだよ。これはベルトルッチの実質デビュー作で、原案がパゾリーニ。ストーリーははっきり覚えていないけど、パゾリーニの影響を強く感じるものだったという記憶は残っている。「ラストエンペラー」「シェルタリングスカイ」「リトル・ブッダ」の東方三部作あたりは、どうも違う気がして、見ていない。


(source)

ベルトルッチの作品で一番好きなのは、と聞かれたら「ルナ (La Luna)」と答えるだろう。これは、イタリア・ローマの街が、このうえなく美しく、官能的に描かれている映画なのだ。

例えば。

マシュー・バリュー演じる少年が誕生パーティーの最中、ガールフレンドにヘロインを打ってもらっているところを、母親に見つかってしまう。少年はそのままふらふらと街をさまよい始め、母はそれを後から追いかける。初夏の、白っぽい光に包まれたローマの街。爽やかなプラタナスの木陰が美しい、テベレ側河畔の歩道を、少年はひたすらよろめきながら歩き、憤った表情の母が追う。そんな場面がしばらく続く。

その後の展開は覚えていない。ただただ、「なんて美しいんだろう」と思って見ていた。この映画では他にもポポロ広場や、オスティア海岸が登場する。この映画はまさに、ローマそのものなんだ。

そしてラストシーン。オペラ歌手の母親が歌う、カラッカラ浴場でのオペラの情景が本当に美しかった。これを見てカラッカラ浴場に恋い焦がれた。しばらくして実際に行ってみると、広すぎる敷地と暑さにやられ、映画で見たシーンの感動は再現ならず、ではあったが。


(source)

「ラスト・タンゴ・イン・パリ」は有名な作品と言えるだろう。これはレンタルビデオで見た。個人的には映画の内容よりも、ヒロインを演じたマリア・シュナイダーのその後のキャリアと人生のことが心に引っかかってしまう映画ではある。後年、了承を得ずに過激な性的シーンを撮られたとして、シュナイダーはベルトルッチと相手役のマーロン・ブランドを非難している。

モラルと人権の意味では許されることではないし、悲運なキャリアを余儀なくされたマリア・シュナイダーについてはまた別の機会に書きたいとは思う。

ただこの場では、ベルトルッチに追悼の意を表したい。彼の作品は間違いなく、自分の人生のストーリーの一部を形作っているのだから。